Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 146 caractères · 40 écrans

Aozora Bunko

おえいは暴れるのをやめた。

「この人が逃げだそうとしたんです」と中年の女の一人が云った、「あたしがおかわを替えて戻って来ると、この人がそこの戸をあけて、外へ出ようとしていたもんですから」

中庭へおりる杉戸が、半ばあいているのを、女は指さしてみせた。登はその戸を閉めるとき、空がほのかに明るんでいるのを見た。

「この娘は私が預かる」と登は女達に云った、「みんな部屋へ帰ってくれ、御苦労だった」

女たちは病室のほうへ去り、登はおえいを促して自分の部屋へ伴れていった。夜具を片づけていると、森半太夫が来たので、わけを話したうえ、半太夫に残ってもらい、彼は去定のところへ相談にいった。去定はもう机に向かって書きものをしていたが、聞き終ってから筆を措き、暫くなにか考えていて、やがて「うん」と低く溜息をついた。

「麹町で天野と会ったか」と去定はまったくべつのことを訊いた。

「内祝言の盃をしました」と云って、登は話をひき戻した、「あの娘をどうしますか、逃げだそうとしたのはよほどの事情があると思うんですが」

「あの娘は白痴ではない、自分で云うとおりばかのまねをしているんだ」去定は独り言のように呟いてから、ふと、振返って登を見た、「おまえ仔細を聞いてみるか」