Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えつねん

越年

岡本 かの子

Lisez 越年 (えつねん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 003 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

年末のボーナスを受取って加奈江が社から帰ろうとしたときであった。気分の弾んだ男の社員達がいつもより騒々しくビルディングの四階にある社から駆け降りて行った後、加奈江は同僚の女事務員二人と服を着かえて廊下に出た。すると廊下に男の社員が一人だけ残ってぶらぶらしているのがこの際妙に不審に思えた。しかも加奈江が二、三歩階段に近づいたとき、その社員は加奈江の前に駆けて来て、いきなり彼女の左の頬に平手打ちを食わした。

あっ! 加奈江は仰反ったまま右へよろめいた。同僚の明子も磯子も余り咄嗟の出来事に眼をむいて、その光景をまざまざ見詰めているに過ぎなかった。瞬間、男は外套の裾を女達の前に飜して階段を駆け降りて行った。

「堂島さん、一寸待ちなさい」

明子はその男の名を思い出して上から叫んだ。男の女に対する乱暴にも程があるという憤りと、こんな事件を何とかしなければならないというあせった気持から、明子と磯子はちらっと加奈江の方の様子を不安そうに窺って加奈江が倒れもせずに打たれた頬をおさえて固くなっているのを見届けてから、急いで堂島の後を追って階段を駆け降りた。

しかし堂島は既に遥か下の一階の手すりのところを滑るように降りて行くのを見ては彼女らは追つけそうもないので「無茶だ、無茶だ」