Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とんそう

遁走

葛西 善蔵

Lisez 遁走 (とんそう) de 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 581 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

二

のこととなると、私にはさっぱり見当がつかないのだ。こうした状態の自分に、いったい何ができるだろう? 彼が躍起となって鞭撻を加えれば加えるほど、私の心持はただただ萎縮を感じるのだ。彼は業を煮やし始めた。それでもまだ、彼が今度きゅうに、会のすんだ翌朝、郷里へ発たねばならぬという用意さえできなかったら、あるいはお互の間が救われたかもしれない。しかし彼の出発のことは、四五日前決ってしまった。そこで彼はまったく私に絶望して、愛想を尽かしてしまったのだ、そして「君のような心がけの人は、きっと今に世の中から手ひどいしっぺ返しを喰うぞ」と、言った。しっぺ返しとは、どんなことを意味するであろうか? まさか私を、会の案内状から削除するという意味ではあるまい……?

二

私たち二人は、よく行く、近くの釣堀の方へと歩いた。樹木の茂った丘の崖下の低地の池のまわりには、今日も常連らしい半纏着の男や、親方らしい年輩の男や、番頭らしい男やが五六人、釣竿を側にして板の台に坐って、浮木を眺めている。そしてたまに大きなのがかかると、いやこれはタマだとか、タマではあるまいとか、昨日俺の釣った奴だとか、違うとかいったようなことを言っては、他の連中までがわいわい騒いでいる。