Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゅうぶん
醜聞
山本 周五郎
Lisez 醜聞 (しゅうぶん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 900 caractères · 46 écrans
そして下城したその足で百軒町へまわった。雪はまだ降り続いてい、彼は雨合羽と笠をかぶっていたが、その町へはいるまえに頭巾で顔を包んだ。指定されたのは「伊勢屋」という旅籠だったが、そこにはさくらはいなかった。さくらのような女も、吾平らしい男もいなかった。木賃旅籠というのであろう、戸口をはいった土間の向うが、すぐに広い二十帖敷ほどの部屋で、大きな切炉に火が燃えてい、そのまわりに客が坐ったり寝ころんだりしていた。
「ここにいるのがお客の全部です」あるじだという五十がらみの女が云った、「そういう人は泊ったこともありませんし、ここのほかに座敷はありません」
尤もこれから泊りに来るかもしれないが、朝からこの雪なので、来るならとっくに来ている筈だ、とその女あるじは云い添えた。功兵衛はそこを出てから、しだいに不安な気分になった。
「どういうことだ」と彼は雪のなかをあるきながら呟いた、「あれはゆうべ相当に酔っていた、宿の名を間違えたのだろうか、それともなにか企んでいるのだろうか」
二十両やれば片がつく、そう思っていたのだが、金が取れるとみて気が変り、もっとあくどい手段を考えたのかもしれない。