Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きんろう
金狼
久生 十蘭
Lisez 金狼 (きんろう) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 438 caractères · 179 écrans
「忘れるのは、あんたの勝手だ」
乾が、うなるように言いかえした。
「ま、立腹したもうな。……しかしながら、絲満の加害者が、あんたの血相を見たら、たいてい竦みあがるだろう。なにしろ、凄かったぜ」
乾は、ふふん、とせせら笑っただけで相手にならなかった。
久我がにやにや笑いながら、
「同感ですね。……私はついさっき取調室から出てきたばかりですが、帰りがけに、司法主任がこういってました。……だいぶご機嫌でね、……君、加害者はやっぱり、あの朝〈那覇〉へきた五人のうちの一人なんだ。見てたまえ、誰れだか明日になればわかるから、って……。(いかにも面白そうに、三人の顔をながめながら)……して見ると、加害者はこの一座のなかに、いるのかも知れないですね。……私かも知れない。いや、殊によったら、乾老それ自身かも……」
久我が、まだ言い終らないうちに、乾が、すっくと立ちあがった。いまにも投げつけるように、ジョッキの把手を握りしめ、眼をくゎっと見ひらいて、久我を睨みつけながら、
「なんだと! ……もう一ぺんいってみろ、畜生!」
と叫んだ。洲崎署の廊下で見た、あの悪尉の面になっていた。