Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いさん

銀座復興 他三篇

水上 滝太郎

Lisez 銀座復興 他三篇 (いさん) de 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 40 579 caractères · 82 écrans

Aozora Bunko

遺産

おもいもかけない大地震は、ささやかな彼の借家と、堂々たる隣の家との境界を取払ってしまった。

いい家だけれど、あの塀があんまり高くて、陰気で、しめっぽくていけないと、引越して来た日から舌うちしていた忌々しい煉瓦塀は、土台から崩れて、彼の借家の狭い庭に倒れ込み、その半分をふさいでしまった。先住の手植らしい縁日物の植木や、素人の手でつくられたに違いない瓢箪池は、古びた煉瓦の下敷になってしまった。胴の長い和金が五六尾泳いでいたが、それも土の中にめり込んでしまったに違いない。

金貸をして、一代で身上をつくったという隣の家の先代は、名前の上に鬼という余計な字をくっつけて呼ばれた人間だった。高く廻らした煉瓦塀も、人の恨を遮断するものであった。そのてっぺんには、硝子の破片が隙間なく植えつけてあった。仰いで見る高い所で、無数の硝子はちかちかと日光を反射していたが、今目の前に倒れたのを見ると、何のための硝子なのか、少しも威嚇する力を持っていなかった。それは実力不相応に買かぶられていたものが、真の力量を暴露したような姿だった。

日光を遮った高い塀が倒れてしまったので、隣の家の広い庭が彼の客間兼書斎の机の位置から、ひろびろと見渡せるようになった。