Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lisez 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 745 caractères · 216 écrans

Aozora Bunko

「ははあ、花だけ残したな」

急に乞食は二個の小石へ、さらに一個の石を加えた。その左右に三個ずつ六個の小石を置き並べた。

「これはほかならぬ河川陣だ」

乞食はまたもや石を崩した。十個の小石を一列に並べた。その中央へ角石を置いた。

「これはほかならぬ閂陣。戸という文字を暗示したものだ。三つを合わせると花川戸。ははあこれは地名だな」

乞食はまたも石を崩した。小石を五個一列に並べた。そうして指で「刻」の字を書いた。

「うん、これは五更という意味だ」老武士は口の中で呟いた。

乞食の石芸はこれで終った。人の往来が劇しくなった。乞食達は袖へ縋り出した。いつの間にか皆見えなくなった。

老武士は悠然と欄干を離れた。橋の袂に駕籠屋がいた。

「駕籠屋」と老武士はさし招いた。「数寄屋橋までやってくれ。うむ、行く先は北町奉行所」

すぐに駕籠は走り出した。

お色は俯向いて歩いていた。顔を上げると屋敷があった。門に看板が上がっていた。地泰天の卦面を上部に描き、周易活断、績善堂、加藤左伝次と記されてあった。

当時易学で名高かったのは、新井白峨と平沢左内、加藤左伝次は左内の高弟、師に譲らずと称されていた。