Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 671 caractères · 252 écrans
八五郎は生湿りの上に、めり込むように崩れている石灯籠を指します。
「成る程」
「坊主頭の手形がちゃんとあるんでしょう」
「変な言い草だな」
よく見ると、石灯籠を除かせた後に、人の倒れたらしい跡が、浅ましくもハッキリ読めるのでした。
「もう一つ、少し離れたところに坊主頭の手形があるんだから変でしょう、親分」
「どこだい」
八五郎が指したのは、少し離れた鞍馬石の巨大な沓脱の外、小さい庇の雨落に添って、これも生湿りの土の上に、明らかな凹んだ跡は、坊主頭というよりは、むしろ尻餅を突いた跡か、肩のあたりを打った跡でしょう。いずれにしても、着物のひだまではっきり見えて居るのは、恐ろしい力で人間が落ちたのでなければ、こういった鮮明な跡はつかなかったでしょう。
「成程、人間の跡が二つ、少し離れた柔らかい土の上へついて居るのは変だな、二階の手摺から落ちたのは、間違いもなく沓脱の側だろう、其処で奇月は眼を回したかも知れぬて、わざわざ石灯籠の側まで這って行って、自分で石灯籠を自分の背中の上へ転がす奴は無い筈だ」
「そうでしょう。現に沓脱のところから、石灯籠の側まで、物を引摺った跡が付いてるじゃありませんか」