Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 671 caractères · 252 écrans
八五郎はなかなか諦め切れません。
「岩三郎は、兄の岩太郎と間違えられて殺されたことは間違いもあるまい、――あの時庭に居た新吉は、手を下した下手人では無かったが、本当の下手人の正体は確かに見た筈だ、新吉が庇ってやるのは誰だと思う」
「?」
「曲者は奇月の脇差を持出し、庭の藁に火をつけて火事騒ぎを拵え梯子の下の物陰に隠れて、上から飛降りて来る岩太郎を待ったのだ、――兄によく似て居る岩三郎を、岩太郎と間違えて刺したが――」
「その時曲者は、返り血をうんと浴びたことだろうと、親分は言いましたね」
「その通りだよ、――が、その血だらけになった着物を脱ぎ、一と纏めにして、直ぐ目と鼻の間の隅田川に沈めたことだろう、後で引上げて洗うのは、お手のものだ」
「成る程ね――ところで奇月を殺したのは?」
「二階の手摺に凭れて酔っ払った奇月がフラフラして居るのを、下へ突き落したのは、手代の才六さ」
「へェ、あの野郎が――?」
「小用に下へ降りた帰りの悪戯だ、――殺すほどの気は無かったかも知れないが、日頃から主人に取入って居る奇月の幇間振りが癪にさわって居た上に、近頃才六もぞっこん惚れて居るお滝を取持って、主人に人身御供に上げようとして居る奇月が憎かったのさ」