Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 671 caractères · 252 écrans
「当り前だ」
「青山長者丸の万両分限、村越峰右衛門様。江戸生え抜きの豪士で、大地主で、山の手切っての物持で、若い時は、学問武芸、いずれも愚かは無かったが、年を取って金が出来ると、急に世の中というものが怖くなった」
「フーム、強そうな名前じゃないか、俺はまた、何処かのお大名のお抱え関取かと思ったよ」
「家柄がよくて金があって、人間が利巧で腕が達者だから、若い時は全く大した者だったそうですよ。随分元気に任せて喧嘩も買い、金にモノを言わせて横車も押し切ったが、年を取ると滅切り気が弱くなって、若い時にひどい眼に逢わせた奴が、鼓を鳴らして仕返しに来そうで、どうも、夜もオチオチ眠られない」
「やれ情けないことになるものだな」
「そこで、屋敷をお城のように造り、濠をめぐらし、東西南北に物見櫓をあげ、濠にはハネ橋を掛けて――」
「おいおい青山長者丸だって、江戸八百八町のうちには違いあるめえ、そんな大袈裟なことをしたら第一公儀が黙って見ちゃ居ない筈だ。忽ち謀反人扱いを受けて、磔刑柱を背負わされるぜ」
「それは大丈夫で、長者丸は親分も知っての通り百姓地が多くて、何万坪となく田圃だし、村越の家というのは、その田圃の真ん中だ」