Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 671 caractères · 252 écrans
あったとしたら何も彼も知り尽しての、戦略の一つとしての仕掛と見なければなりません。
「さて、平次親分も、思いの外気が小さい、いざとなると、打ち明け兼ねると見える」
浪人宇佐美敬太郎の口辺には、もう一度特色的な皮肉な微笑が漂いました。
「いや、お隠し申すわけじゃございません、御存じの近頃江戸中を荒し廻る黒旋風という曲者、十二月四日の今晩、妙月庵に押し入り、一千両の祠堂金を奪い取ると申して居ります」
「ホウ、それは面白いな、――これだけの備えを破って、妙月庵に押し入ろうと言うのは、容易の人間ではあるまい、して、平次親分の陣立ては」
「大した知恵があるわけじゃございません、唯もう、御覧の通り、マジマジと見張って居るだけで」
「札を曝し過ぎたかな――拙者が見ても、二十二、三人までは数えられる、これでは黒旋風も五人や十人では押し寄せられまい」
「――」
「恐らく腕っこきの賊十人二十人と人数を整え、飛道具でも持って攻め寄せるか」
「お膝元で、そんなことは?」
平次もツイ口を容れました。
「お膝元ではあるが、町方の組子は、少し捕物に不鍛練では無いか、二十人三十人で堅めたところで、本当に腕の立つ曲者が五人十人と、一団になって押し寄せたら、何んとする積りだ、平次親分」