Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九) 全十冊

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 41 029 caractères · 82 écrans

Aozora Bunko

吉田屋の身上を狙ったことは言うまでもない」

「へエ、驚きましたな」

主人の彦七もさすがに舌を巻きました。

「お半が若旦那の本当の恋人なら、若旦那が死んで半歳も愚図愚図しているはずはない。――吉田屋へ乗込んだのは、殊勝らしく持ちかけて、あわよくば主人のお前さんを手の中に丸め込むつもりだったに違いないが、お前さんが思いのほか確りしているので、死んだ若旦那の弟の文三郎を取込もうと考えた」

「…………」

「その間にお内儀が喪なった、――文三郎はそれを、お半の手に掛って毒害されたものと早合点して、寺へ手紙などを出したが、お内儀の死んだのは全くの病死だった」

「お半はその喪中にも拘らず、間がな隙がな文三郎に絡み付いた。昨夜はそれが嵩じて、あのとおり薄化粧に長襦袢のこの上もない艶めかしい姿で、酒まで用意して文三郎を引入れた、――十八になった文三郎が、年増女の恐しい誘いを振り切ることも出来ず、多分ウカウカとあの離屋へ入ったことだろう。しかし、若い者は若い者の良いところがあり、例えば阿婆摺れ女などの儘にならぬ清らかなところがある。一度はお半の誘いの手を振り切り兼ねて、離屋に誘われた文三郎も、兄の事や母親のことを考えると、お半の色っぽさが、恐しいものにも、疎ましいものにも見えた」