Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ながさきのでんわ
長崎の電話
田中 貢太郎
Lisez 長崎の電話 (ながさきのでんわ) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 820 caractères · 2 écrans
京都西陣の某と云う商店の主人は、遅い昼飯を喫って店の帳場に坐っていると電話のベルが鳴った。主人は己で起って電話口へ出てみると聞き覚えのある声で、
「あなたは――ですか」
と云ってこちらの名前を聞くので、
「そうです、あなたはどなたです」
と聞くと、
「わたしは○○です」
と云った。それは主人の弟で支那へ往っているものであった。主人は喜んで、
「お前は帰ったのか」
と云って聞くと、弟は、
「わたしは病気になって、今、長崎の――旅館へやっと帰ったところです、兄さんに、是非会いたいから、どうかすぐ来てください」
と云ったかと思うと電話は断れてしまった。主人は病気の模様を聞きたいと思ったが、電話が断れたので残念でたまらなかった。しかし、病気ですぐ会いたいと云うからには、すぐ往ってやらなくてはいけないだろうと思って、電話口を放れたところで、番頭の顔が見つかったので、
「支那へ往ってた弟が、病気で長崎まで帰って、すぐ来てくれって電話がかかって来たから、これから往って来る、後をよく気を注けてくれ」
と云った。すると番頭が変な顔をして主人の顔を見返した。
「長崎へ電話が通じておりますか」