Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もん

門

夏目 漱石

Lisez 門 (もん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 830 caractères · 278 écrans

Aozora Bunko

小六は茶の間で少し躊躇していたが、兄からまた二声ほど続けざまに大きな声を掛けられたので、やむを得ず低い返事をして、襖から顔を出した。その顔は酒気のまだ醒めない赤い色を眼の縁に帯びていた。部屋の中を覗き込んで、始めて吃驚した様子で、

「どうかなすったんですか」と酔が一時に去ったような表情をした。

宗助は清に命じた通りを、小六に繰り返して、早くしてくれと急き立てた。小六は外套も脱がずに、すぐ玄関へ取って返した。

「兄さん、医者まで行くのは急いでも時間が掛かりますから、坂井さんの電話を借りて、すぐ来るように頼みましょう」

「ああ。そうしてくれ」と宗助は答えた。そうして小六の帰る間、清に何返となく金盥の水を易えさしては、一生懸命に御米の肩を圧しつけたり、揉んだりしてみた。御米の苦しむのを、何もせずにただ見ているに堪えなかったから、こうして自分の気を紛らしていたのである。

この時の宗助に取って、医者の来るのを今か今かと待ち受ける心ほど苛いものはなかった。彼は御米の肩を揉みながらも、絶えず表の物音に気を配った。

ようやく医者が来たときは、始めて夜が明けたような心持がした。