Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もん

門

夏目 漱石

Lisez 門 (もん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 830 caractères · 278 écrans

Aozora Bunko

すると御米が思い詰めた調子で、

「私にはとても子供のできる見込はないのよ」と云い切って泣き出した。

宗助はこの可憐な自白をどう慰さめていいか分別に余って当惑していたうちにも、御米に対してはなはだ気の毒だという思が非常に高まった。

「子供なんざ、無くてもいいじゃないか。上の坂井さんみたようにたくさん生れて御覧、傍から見ていても気の毒だよ。まるで幼稚園のようで」

「だって一人もできないときまっちまったら、あなただって好かないでしょう」

「まだできないときまりゃしないじゃないか。これから生れるかも知れないやね」

御米はなおと泣き出した。宗助も途方に暮れて、発作の治まるのを穏やかに待っていた。そうして、緩くり御米の説明を聞いた。

夫婦は和合同棲という点において、人並以上に成功したと同時に、子供にかけては、一般の隣人よりも不幸であった。それも始から宿る種がなかったのなら、まだしもだが、育つべきものを中途で取り落したのだから、さらに不幸の感が深かった。

始めて身重になったのは、二人が京都を去って、広島に瘠世帯を張っている時であった。懐妊と事がきまったとき、御米はこの新らしい経験に対して、恐ろしい未来と、嬉しい未来を一度に夢に見るような心持を抱いて日を過ごした。