Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もん

門

夏目 漱石

Lisez 門 (もん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 139 830 caractères · 278 écrans

Aozora Bunko

と小六は正直に答えた。

「だけどさ。どうして、まあ殺されたんでしょう」

小六は要領を得ないような顔をしている。宗助は落ちついた調子で、

「やっぱり運命だなあ」と云って、茶碗の茶を旨そうに飲んだ。御米はこれでも納得ができなかったと見えて、

「どうしてまた満洲などへ行ったんでしょう」と聞いた。

「本当にな」と宗助は腹が張って充分物足りた様子であった。

「何でも露西亜に秘密な用があったんだそうです」と小六が真面目な顔をして云った。御米は、

「そう。でも厭ねえ。殺されちゃ」と云った。

「おれみたような腰弁は、殺されちゃ厭だが、伊藤さんみたような人は、哈爾賓へ行って殺される方がいいんだよ」と宗助が始めて調子づいた口を利いた。

「あら、なぜ」

「なぜって伊藤さんは殺されたから、歴史的に偉い人になれるのさ。ただ死んで御覧、こうはいかないよ」

「なるほどそんなものかも知れないな」と小六は少し感服したようだったが、やがて、

「とにかく満洲だの、哈爾賓だのって物騒な所ですね。僕は何だか危険なような心持がしてならない」と云った。

「そりゃ、色んな人が落ち合ってるからね」

この時御米は妙な顔をして、こう答えた夫の顔を見た。