Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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せきぼくじょうそうぎょうきじ

関牧塲創業記事

関 寛

Lisez 関牧塲創業記事 (せきぼくじょうそうぎょうきじ) de 関 寛 (せきかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 461 caractères · 40 écrans

Aozora Bunko

全身も弱りて倒れんと欲し、耐忍する事能わずして草上に座して休息するに至れり。然るに休息するによりて全身は俄に安静なるに至れるが故に、小虫は此れにて四囲より群集して亦呼吸を妨げ、或は眼胞に向うて来りて払えども更に散るも亦来り尚群集を増加するによりて、此れにも耐忍する事能わずして、依て叺を脊負て袋を前にかけて歩行するも前の如く困苦にて、僅に三十間或は四十間ばかりにて休息するが故に、六七町なるの帰路は一時間余を経るに至れり。漸くにして小屋に帰りて直に横臥して言語する事も出来ざるに至れり。少時間は発熱するが如きを覚えて、精神も或は失するが如くにして休息す。少く眠るが如くにして、漸く本心に復したるを待って、或は湯を呑み薯を食するに其味の言うべからざるの美を覚えて、且つ元気つきて、夫れより採りたる蕨蓬を選びわけて煮るには半日を費す。故に午前には出でて採り、午後には煮て干しあげる事に当れり。依て日々に終日労するには予が老体には最も労苦たり。午後には火をたき湯をわかすには、炎熱中には随分大なる困苦たり。故に日中には労に当り自らも大なる困苦を覚ゆるも、少しも屈せずして実行するには、恰も地獄の苦みもかくやあらんと思うのみ。