Classiques japonais avec furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lisez 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 213 575 caractères · 424 écrans
▼あらまし、右のようなお知らせだった。真偽はともかく、新春の一茶話には、値しようか。まだ御返書もしてなかったので、ここに同氏の好意も併せて謝しておく。
この回の「御室左右記」は、もちろん私の創作だが、仁和寺宮と義経との関係が、かく浅からぬものであったことは本当で、そのことは空想ではない。▼じつは、宮の歌集「北院御室御集」の内から、義経に与えた別離のお歌としておかしくない一詠を拾い、描写の扶けとする構想でいたら、手許にあると思っていた歌書がない。考えてみると、群書類従で見たのである。ところがその群書類従は、正続二百冊という厄介物なので、東京へ引っ越しのさい、吉野村の家の書庫に置き残して来たのだった。▼それで思い出されたのは、亡友三上於菟吉である。これも正月のことだが、赤坂の料亭で、史話猥談チャンポンの果て、「君イ。勉強はお互いにしようよ。ひとつ年頭の約に、群書類従の第一巻から順に、どこまでつづくか、君と読み競しようじゃないか。そして、時々会って、飲みながら論じるのさ」と、まるで試合を挑むような眼をしていう。▼もちろん、よしと私も約束した。何十冊まで読んだろう。