Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lisez 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 213 575 caractères · 424 écrans
客窓雑記
陶器の手焙りのことを、古い人は“びん懸け”とよんだり、ただ“夜学”といったりした。夜学の友は、これにまさる物はない。
けれど、机の端にのせている右手だけは、そう、この友の肌にばかり暖められているわけにはゆかない。気がついてペンを離すと、指が、凍ったように、よく曲がらないことがある。山村では、夜半になると、急に、電気の燭光が宵の何倍にも明るくなる。そのせいもあろうか、夜半の一輪挿しの寒椿の紅さといったらない。
寒机一輪花
そんな句をおもい出しながら、煙草を吸う。この喫煙癖がまた、近来、度が増すばかりで、どうにもやめられない。(昭和二十六年十二月)
客窓雑記
春徂くやまごつく旅の五六日
装幀とか、トビラの色とか、活字の組み様とか、書物の型には、どこかに、著者のもの好みは潜んでいるものだ。
「新・平家物語」のばあい、第一巻が出るときに、それらはもう苦労ずみになっているが、見返しの絵だけは、毎巻、内容と共に変ってゆく新しい装幀約束を持っている。
そのため、杉本氏には、せっかく出来てきた原画を、描き直してもらったり、補筆を希ったり、ずいぶん世話をやかせているが、もう一つ、巻を追ってゆくにつれ、一冊ごとの“巻”の名にも、何か、もの好みな気もちが手伝って、いつも自分には、一つの苦吟になっている。