Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Lisez 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 213 575 caractères · 424 écrans

Aozora Bunko

きょうもよく歩いたもの。東京を出てまだ五日目。都会神経を絶縁されると、こうもポカンとするものかと嘆ずるように、Kさん、湯上がりタオルをぶらさげて、郷愁の顔を窓に出す。「降って来ましたぞ。この山で、雨でさあ」と、火鉢に帰る。

かぜ気味の健吉画伯。Oさんの注射、トン服もこたえがないので、湯は我慢しますという。ところが、拙稿「新・平家」の挿画は、今夜、描いておいていただかないと、東京便に間に合わないとそのOさんが催促する。昼は医薬を与え、夜は徹夜をさせる。なんのことはないOさんも国税庁にいたことがあるんじゃないかと皆して笑う。

食膳は、山味たっぷり。干鮎の煮びたし、とろろ汁、わらび、しいたけ。二の膳、いなりずし、さんまのすし。

断るまでもなく、海抜何百メートル。どうやっていても、寒いこと寒いこと。寒くなさそうなのは、独酌居士のKさんだけに見える。

寝るにしかずと、別室で夜具にもぐり込む。

四階の雨戸を打って、夜雨蕭々と更ける。隣の部屋では、時々、紙の音、ゴホンゴホン、気のどくに、健吉さん、夜もすがら、カンづめ。

このフレッシュな洋画家には、名古屋の家に、まだ健吉画伯を健坊としている老母がいて、こんど、息子がぼくらと同行すると聞き「熊野詣りに、船が沈んで死んだ知り人があるからね。