Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Lisez 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 213 575 caractères · 424 écrans

Aozora Bunko

そのキャアーッという声の余韻が、ひどくぼくらの耳に残った。東京の声でもなく、東北の声でもない。どうしても、京都の少女の口からでなければ出ないキャアーッという、まろい、きれいな余韻を曳いた悲鳴であった。

そのとき春海宗匠の口から、たちどころに一句が出た。

かみなりも泣く子の声も京訛り

というのである。

「これは、おめずらしい句だ」と扇谷編集長は口がわるい。「すると、かみなり様も京訛りで鳴るのかね」「もちろん」と宗匠は答えた。「それが分からんような者とは共に詩を語れないさ」と。

おそらく、雷公は詩を解したものかもしれない。まもなく、その句の通り、鳴り方もだんだんおとなしくなってゆき、いざ出かけようというころには、やんでしまった。

身支度はすんだが、まだ車が来ていないらしい。それまでのわずかな立ち際に、思いがけない一仕事が持ち込まれた。

宿のいとはんや女中さんが、鳥ノ子張りの利休屏風を抱えて入って来たのである。見ると、いつのまに描いたのか、健吉さんがそれへ、白藤の花を背にした、如意輪観音と、一匹の鹿とを彩描していた。

「つい、ゆうべ二時ごろまでかかって、描いちまったんです」