Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lisez 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 213 575 caractères · 424 écrans
その間も、おのおの、駄句り合いは交わされたが、いずれも一笑にだに値せずであった。そして大阪へ近づくにつれ、たれもそろそろ、会場の方が気がかりになり始めた様子に見える。ぼくなどは殊さらに、講演の話題がしきりに気に病まれ出し、吟行どころの沙汰ではない。
――と気がついたのは、もう遅い感じであった。何をしゃべろうかと、講演を案じてみても、妙につまらない俳句ばかりが泡ツブみたいに頭に泛んでしまうのである。よく洒落癖がつくということはいわれるが、俗俳家が駄句を吐きつけると頭に十七字癖がつくということもあるものらしい。これはその日の発見だった。
発見はいいが、話題は一向まとまらない。そのまにもう大阪へ着いてしまいそうである。会場へ臨んでからではもういけないのだ。夢声氏や花森安治氏が羨ましい。どうしてあの十分の一の話術でも持てないものかと、凡慮を凡慮しぬいたりする。
「けさの屏風ね。あれへ書かれた歌ですね、文春の信平さんに見せたいな。きのうきょうの彼氏の姿があれですよ」
扇谷氏がいい出した。初めは、なんのことかわからなかったが、訊いてみると、こうなんである。
どういう発心やら池島信平氏がこの二、三日、老母を連れて京大阪を見物させ、あすは高野山へおふくろさんのお供をして行くという話なのである。