Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのうえのしも

雪の上の霜

山本 周五郎

Lisez 雪の上の霜 (ゆきのうえのしも) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 586 caractères · 50 écrans

Aozora Bunko

「また御仕官のお話ではないでしょうか」

「どういうことになるか」伊兵衛は咳をして、「――まだ詳しい話はしてないし、とにかく訪ねてみてのことなんだが、しかし、もしかして仕官の話でも、いちおう当ってみるつもりですよ」

おたよは良人の眼をじっと見つめた。

良人は稀な才能をもっている。学問は朱子、陽明、老子に及び、武芸は刀法から槍、薙刀、弓、柔術、棒、馬術、水練、しかも(学問はそれほどでないにしても)それらの武芸は無類の腕で、どの一つをとっても第一級の師範になれる……だがその反面、良人の性質はひとに抵抗ができない。自分のことよりひとの立場を先に考える、ひじょうに謙遜で、涙もろくて、自分の生活が楽なときは、世間の人たちに済まないと思うし、自分の苦しいときは、ひとはもっと苦しいだろうと思う……こういう性分のために、代々二百五十石で仕えていた主家を浪人し、以来七年あまり、おたよと共に放浪の旅を続けている。このあいだに幾たびとなく、その才能を認められて、仕官できそうな機会があった。しかしその性質のために(その性質が邪魔をして)結局は一つも実現しなかった。

人間が生活してゆくには、大なり小なり他人を押しのけなくてはならない。