Classiques japonais avec furigana
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おんがくかいのめいしん
音楽と生活 兼常清佐随筆集
兼常 清佐
Lisez 音楽と生活 兼常清佐随筆集 (おんがくかいのめいしん) de 兼常 清佐 (かねつねきよすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 475 caractères · 61 écrans
ニッポン音楽
1
私は多分誤報だと思います。一九三五年の太陽が赤々と照っている時に、なんぼなんでも、まさかそんな事はないでしょう。それでも是非私の考えを話せというのですか。――
何時の時代でも、どこでも、必ず老人と青年の対立というものがあります。老人は自分が生きて来た過去の事をなつかしがります。そして自分の頭の中にあるだけの物を基礎として、世の中をそれに調子を合わさせようとします。青年は希望を将来におきます。将来の発展、または幸福のためには、あらゆる努力をおしむまいとします。そこで意見に喰違いが出来ます。メートル法の問題などはそのいい例です。老人の頭ではもちろんメートルなどいう事はわかりません。それで自分の頭にあるだけの尺貫法を基礎にして、世の中をそこまで退歩させて、自分の頭に調子を合させようとします。そしてそれに「愛国」という名を付けます。青年は将来のニッポンを愛します。そして便利なメートル法に自分の頭をすぐ改造してしまいます。
音楽にもこれとおなじ問題は大正の時代から繰返されました。私もそれについては一役を演じました。私はその時には青年の役を買いました。