Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あたまをはなれたぼうし

頭をはなれた帽子

小川 未明

Lisez 頭をはなれた帽子 (あたまをはなれたぼうし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 178 caractères · 5 écrans

Aozora Bunko

工夫は、野原の中に立っている、電信柱の上で仕事をしていました。故障のある箇所を修繕したのです。しかし、下を向くと、ちょっと頭にかかっている帽子が、なんだか落ちそうな気がして、気にかかったので、彼は、頭から帽子を取って、電信柱のいただきにかぶせておいたのです。

彼は、たばこをのみたいと思ったけれど、我慢をしていました。そのうちに、仕事が終わったので、工夫はいそいで降りて、たばこをのみました。そして、帽子のことなどを忘れていました。

しばらくしてから、思い出したが、わざわざ上がって、役にもたたない帽子を持ってくる気になれなかったのでした。

「風が吹いたら、そのうちに、ひとりでに飛んでしまうだろう……。」と、そんなくらいにしか、思わなかったのです。

電信柱は、頭に、いままでかぶったこともない帽子をかぶされて迷惑しました。かれ自身には、手がないから、それを取りはらうことができなかった。そして、いままで、遠方を見まわしたのに、いまは、盲目になったと同じく、なにも見られませんでした。

「なんで、私に、こんなものをかぶせたのだろう? ほかに、いくらも、帽子をほしいと思っているものがあろうのに……。