Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうでん
香奠
豊島 与志雄
Lisez 香奠 (こうでん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 989 caractères · 46 écrans
」
なるほど彼は髪を長く伸して、オールバックにしていました。まだ頂上は少し伸びきらないとみえて、毛並が揃っていませんでした。それからセルの着物に一重羽織なんか着込んでいます。どう見ても以前の彼とは全く様子が変っていて、態度から言葉付まで東京の学生らしくなりすましています。
「見違えるほど変ったじゃないか。」
「だから私は、先生にひやかされるだろうと思って、ひやひやしていましたが、やっぱり……。」
「ひやかすんじゃない。感心してるんだよ。」
そんな風に話を初めて、私達は芝居が初まってるのも知らん顔で、酒をのみました。彼は私の家にいる時からそうでしたが、酒はいくら飲んでも本当には酔わないから、結局飲んでも飲まなくても同じだと云っていました。その不経済な杯を、彼はしきりに空けながら、やがてじっと私の顔を見つめてきました。
「先生、私はやはり賭に負ました。」
そして一寸彼の眉間に陰欝な影が浮びましたが、次の瞬間にはもう晴れやかな顔に戻っていました。
「賭って……何の賭だい。」
「あの……窓の外の庭のことです。」
私はもう忘れていましたが、窓の外に鉢植を並べて庭を拵えるという、あのことを彼は云ってるのです。