Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうでん

香奠

豊島 与志雄

Lisez 香奠 (こうでん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 989 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

「私はとうとう先生の説に降参しました。実際面白い考え方ですね。住宅は寝室と食堂だけで、街路がみな廊下の延長……愉快です。」

それを聞くと、私の方が一寸面喰いました。

「へえー、そんなつまらないことが……。」

「つまらなくはありません。私はそれを友人に云いふらして歩いたんです。……東京の学生は愉快ですね。……私は東京の街路を飛び廻ってやるつもりです。……だけど、変ですね……どうも……。」

彼は何かしら胸の中がもやもやしてるらしく、それをはっきり口に出せないのがなお焦れったいらしく、眉根に皺を寄せて考えこみました。私はその顔を覗き込んで尋ねました。

「どうしてまたそんな風に、心機一転したんだい。」

「え、心機一転って……。」

それから暫くして、彼は真白な卓布に眼を据えて云いました。

「やはりあの庭のお影です。窓の外に一杯植木を並べて、私は一生懸命にその枝振をなおしたり水をやったり、木の間に頭をつきこんで、半日もぼんやりしてることがありました。すると、その窓の下に、煉瓦の塀越しに、よその家の室が見えるんです。薄暗い汚い宿でしたが、朝から晩まで、四十ぐらいのお上さんが、たった一人で縫物をしています。