Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まぞう
魔像
林 不忘
Lisez 魔像 (まぞう) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 131 494 caractères · 260 écrans
「これ、屏風がさかさまになっておるではないか」半九郎は顎をしゃくって、「何という不注意だ。すぐ直しなさい」
「でも、旦那さま」婢は不思議そうに、「わたくしは確かにちゃんと立てて置いたのでございますが」
「そうだ、そうだ」どうも余計な口をきくのは、いつも丹ちゃんのようで、「なア、おめえが悪いんじゃアねえ。屏風が勝手に……」
半九郎は、尚もキッとなって婢を睨めつけた。
「イヤお前の粗忽である。さっさと直しなさい」
ハイと口の中で答えた婢、六人の眼を集めて、部屋の隅の問題の屏風に手をかけた。女性が愕いた時の声は、今も昔も大概きまっている。絹を裂くように叫んで、退け反った。
「あれ――イッ!」
同時に、ぱッ! 向う側から屏風が倒れて、ムックリ坐り直した一人の人物がある。
肩に継布の当った袷一枚に白木の三尺、そろばん絞りの紺手拭で頬かむりをして、大刀といっしょに両膝を抱き、何かを見物するように、ドッカリ腰を押しつけているのだ。侍とも無頼漢とも知れない、まことに異形な風俗、呑気な顔で六人を見わたして、ニコニコ笑った。
思わず、さッ! と反対側の襖ぎわに並び立った六人である。