Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぎょもん

魚紋

吉川 英治

Lisez 魚紋 (ぎょもん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 582 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

とてもこれでは、商売にならないというので、私にも、とうとうお暇が出てしまいました』

『ほ。ここを仕舞うって』

『あ……お帰りなさいました』

婆やと入れちがいに、お可久は、縁日で買って来た葵の鉢を持って上って来た。

それから、酒が出て、玄庵は晩くまで話しこんでいた。頻りと玄庵は今夜は彼女に返辞を迫った。お可久の返辞次第では、今の高橋の門戸をたたんで、大阪へ出て、家を持とうというのだった。そして、近いうちに大金が入るから、それを機にともつけ加えて云う。

『泊っていらっしゃいな……』

お可久のほうからそういった。玄庵は、杯を措くと横になってしまった。

――だが翌日になっても、翌々日になっても、玄庵の姿は、この家から出て行かなかった。

その代りに、薊の姿がチラチラ見えた。婆やは、風呂敷づつみを持って、暇乞いをして自分の家へ退がって行った。――翌晩、薊は、お可久にも手伝わせて、畳を上げて床下を掘っていた。血みどろになった玄庵の死体が、蒲団ぐるみ、土の下にかくされた。蝋燭の白い斑点も、畳の下の秘密となった。

碁会所だったそこの小門に、やがて、貸家札が貼られた。――それから数日の後である。