Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なるとひちょう
鳴門秘帖(一)
吉川 英治
Lisez 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 100 caractères · 523 écrans
「お下屋敷へつく前に、死骸になってしまっては、骨折り損というものだ」
様子をふりかえった天堂一角は、森や九鬼とともに、つかつかとそこへ戻ってきたが、半ば疲労に挫けている一同を見て、
「死なしてはならん!」
一喝をくれて、みずから駕の縄を切りほどき、垂れを上げて中を覗くと、自分もいっそう狼狽した気色である。
「すぐに手当てを加えろ。これから大事なお調べにかける奴、死なしては、ここまで骨を折ってきた甲斐がないぞ」
大勢の手で、駕の中から引きずりだされたのは、唐草銀五郎であった。
深股の傷は、柘榴のように弾けている。ほかにも一、二ヵ所の掠り傷があって、五体はむごたらしい紅に塗られていた。
「用意の金創は誰が持っている」
「はっ、これに」
「指先へ付けて塗りつけろ。そして血止めをギリギリと巻きしめておけ」
「はっ」
「誰か、水を探してこい、水を」
「はっ」すぐ二、三人が渓流へ駈け下りた。
銀五郎は、おびただしい出血に、グッタリと気を失っている。情けにあらずしてそれを手当てする侍たちには、無論荒々しく扱われた。
「一方は大丈夫だろうな」
水を待つ間に、九鬼弥助がいった。一方とはつまりもう一つの駕を指すので、その中には、俵一八郎が無念の縛めをうけて、押し込まれているのは明白である。