Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 100 caractères · 523 écrans

Aozora Bunko

そのうち誰からか、きまりものの苦情が出て、何かガヤガヤもめだしたが、不意に向う側の板戸が外からガラリと開いて、度胆を抜くような太陽の光がそこから流れこむ。

「誰だ!」ぎょッとした五人の眼が、期せずして振りかえると、

「驚くなよ、お十夜だ」提げ刀になって、孫兵衛がのっそり五日目に帰ってきた。と、その後ろからまた一人、まばゆいばかりな厚帯に振袖姿のお嬢様、玉虫色の口紅をしていう言葉はあられもなく、

「おや、とんだところをびっくりさせて悪かったね」とそこへ来て、大の男たちにひるみもなく、小判や小粒の燦めく中へフワリと風を薫らせて坐った。

「誰かと思ったら、お綱さんじゃねえか」

三次が眼をみはると後の四人も、加留多の紛紜を忘れて、しばらくはこの一輪の馥郁さに疲れた瞳を吸われている。

「この間の口ぶりでは、巧く行ったら、すぐ江戸へ舞い戻るような話だったが、すると、あの仕事はとうとう失策物になったのか」

「どう致しまして、そんなわたしじゃありません」とお綱は笑って――。「思う通りに行ったから、ついでに上方見物としゃれのめし、道頓堀の五櫓も門並のぞいて、大家のお嬢様に納まりながら、昨日は富十郎芝居の役者や男衆が七、八人も取巻きで、島の内の菖蒲茶屋、あそこで存分に遊び飽きておりましたのさ」