Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 100 caractères · 523 écrans

Aozora Bunko

「ふざけた真似をするなッ」

鋭い気構えを見せて、彼の小太刀を、十手で叩き落そうとしながら、ジリジリと近寄って行ったが、今度は旅川周馬、あとへも退かずにニヤリと白い歯を見せた。

と――思うといつの間にか、万吉の後ろへ、ぬウと立ったお十夜が、そぼろ助広に手をかけて、据物斬り! 息を計っていたのである。

あッ!

声と、剣と、孫兵衛の気合い。

三ツの力が瞬間にそこを割って、ほとばしった孫兵衛の切ッ尖から、あやうくも、髪の毛一すじの命拾いをした目明し万吉、

「ちイッ……畜生!」

歯軋りをかんだが、力の相違はぜひもなく、りゅうと、しごきなおしてくる孫兵衛の銀蛇に追われて、タタタタタ……と十歩、二十歩。

追い詰められた土壇場である。

「かッ! ……」と、孫兵衛が口を曲げた。

含み気合いに斬りつけた、片手伸ばしの助広の切ッ先へ、ザ――ッと揚がったのは血けむりではなかった、神田川の水しぶき――。

足をすべらして、目明し万吉、真ッ逆さまに落ち込んだのである。大きな波紋が蛇の目を描く……。

それを見捨てて、お十夜と旅川周馬は、思いがけなく取り戻したお綱とお千絵とを、これからどこへ運んで行こうか――と、暗闇に立ってコソコソ相談しはじめた。