Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(一) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 100 caractères · 523 écrans

Aozora Bunko

会所守の久六は何思ったか、あわてて、出かける二人を呼び止めた。

「え、何ですッて?」

唐草銀五郎に乾分の多市、出足を呼び返されて何気なくふりかえると、

「気をつけて行くことだぜ、物騒な刻限だ」

会所の久六が、手真似でバッサリ、いやに小声で注意をする。

「フン、辻斬りかあ」多市が鼻ッ先で受けると、

「これ、冗談に聞きなさんな」と、久六は叱るように、「今し方もここへ見えた、見廻り役人の話では、刀試しじゃない物盗りの侍で、しかも、毎晩殺られる手口を見ると、据物斬りの達者らしいというこった」

「ご親切様……」銀五郎は丁寧に会釈をして、スタスタと先へ歩きだした。

教えられた道すじどおり、堀川から大川河岸を西へ曲がる。所々に出水の土手壊れや化けそうな柳の木、その闇の空に燈明一点、堂島開地の火の見櫓が、せめてこの世らしい一ツの瞬きであった。

「親分」多市は、追いつくように側へ寄って、

「自身番のおやじ奴よけいなことを言やがったんで、何だかコウ背筋が少し寒くなった」

「おや、てめえはさっき、フン辻斬りかアと涼しい顔をしていたじゃねえか」

「そりゃ、関東者の病でしてね」

「出るなと思う奴はとかく出たがる。