Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わし

鷲

岡本 綺堂

Lisez 鷲 (わし) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 476 caractères · 290 écrans

Aozora Bunko

「はい。鮫洲までまいります。」

「鮫洲か。じゃあ、もう直ぐそこだ。」

「それでも年を取っておりますので……。」と、老婆は息を切りながら答えた。

「杖はないのだね。」

「包みを抱えておりますので、杖は邪魔だと思いまして……。」

かれは浅黄色の小さい風呂敷包みを持っていた。この問答のうちに、夕暮れの色はいよいよ迫って来たので、駕籠屋は途中で駕籠を立てて、提灯に蝋燭の灯を入れることになった。それを待つあいだに、文次郎はまた訊いた。

「それにしても、なぜ私たちのあとを追っかけて来るのだ。ひとりでは寂しいのかえ。」

「はい。日が暮れると、ここらは不用心でございます。わたくしは少々大事な物をかかえておりますので……。」

「よっぽど大事なものかえ。」と、文次郎は浅黄色の風呂敷包みに目をつけた。

「はい。」

駕籠屋の灯に照らし出された老婆は、その若い時を偲ばせるような、色の白い、人品のよい女であった。木綿物ではあるが、見苦しくない扮装をしていた。

「しかし年寄りの足で私たちの駕籠に付いて来ようとするのは無理だね。転ぶとあぶないぜ。」

言ううちに、駕籠は再びあるき出したので、文次郎も共にあるき出した、老婆もやはり続いて来た。