Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わし
鷲
岡本 綺堂
Lisez 鷲 (わし) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 476 caractères · 290 écrans
鈴ヶ森の畷ももう半分ほど行き過ぎたと思うころに、老婆はつまずいて、よろけて、包みを抱えたままばったりと倒れた。
「それ、見なさい、言わないことじゃあない。それだから危ないというのだ。」
文次郎は引っ返して老婆を扶け起そうとすると、かれは返事もせずにあえいでいた。疲れて倒れて、もう起きあがる気力もないらしいのである。
「困ったな。」と、文次郎は舌打ちした。
さっきから駕籠のうちで、お峰の親子はこの問答を聞いていたのであるが、もうこうなっては聞き捨てにならないので、お峰は駕籠を停めさせて垂簾をあげた。
「その婆さんは起きられないのかえ。」
「息が切れて、もう起きられないようです。」と、文次郎は答えた。
お妻も駕籠の垂簾をあげて覗いた。
「鮫洲まで行くのだということだね。それじゃあそこまで私の駕籠に乗せて行ってやったらどうだろう。」
「そうしてやればいいけれど……。」と、お峰も言った。「それじゃあ私がおりましょう。」
「いいえ、おっ母さん。わたしがおりますよ。わたしはちっと歩きたいのですから。」
旅馴れない者が駕籠に長く乗り通しているのは楽でない。年のわかいお妻が少し歩きたいというのも無理ではないと思ったので、母も強いては止めなかった。