Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たそがれ

黄昏

宮本 百合子

Lisez 黄昏 (たそがれ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 500 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

奥へは洩れないように、気を緊めて声を低め、彼女は、

「馬鹿なこと! 誰がそんなことを出来るものか」

と、鋭く娘の言葉を撥(は)ね返した。

「私は筋の立たない金なんぞは、たとい半文も受けたくないと思うからこそ、他人から見れば、しずともいい苦労をして来たのではないか。始め、六蔵を裁判に立たせたのだって、決して、取られた、金を取り返そうためばかりではない、私の云い分と、あっちの遣り口と、公の眼で見ていただいて、どっちが正しいか、それをはっきりさせたいばかりでしたことじゃあないか。ああやって、毎日顔と顔とを見合わせている裏で、あんな企らみがあったかと思えば――おばあさんも憎いが、判るところを判らせない検事にも、私は愛素をつかしてしまった」

熱して話し、姉妹を見較べたおくめの瞼には、強い火照(ほて)りと一緒に涙が滲(にじ)み上って来た。

「それというのも、皆、お前達のお父さんが、ああだったからのことさ」

おくめの声には、何ともいえず、寂しい曇がかかって来た。

「お前方のお父(とっ)さんさえ、確かり家を守っていてくれさえしたら、あれもこれも、皆、無くってすんだことなのさ。