Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうごんのまくら

黄金の枕

田中 貢太郎

Lisez 黄金の枕 (おうごんのまくら) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 073 caractères · 7 écrans

Aozora Bunko

辛道度は漂泊の旅を続けていた。着物は薄く懐中は無一物で、食物をくれる同情者のない時には水を飲んで餓えを凌ぎ、宿を貸してくれる処がなければ、木の葉を敷いて野宿をした。そうした窮乏の中にあっても、彼は決して気を腐らさなかった。彼の前途には華やかな着物を着た幸福が見えていた。要するに彼は若かった。

雍州城の西門から五里ぐらい北の方へ往った。侘しい夕方であった。道度はその日も朝から水以外に何も口にしていないので、物をくれそうな素封家の家を物色して歩いた。畑の中や森陰に当って、民家の屋根がぼつぼつ見えていたが、入って往こうと思うような家はなかった。しかし、そんな目に毎日のように逢っている彼は、別にあわてもしなければ悲観もしなかった。今にどこかいい処が見つかるだろうぐらいの気もちで、平気な顔をしてのそのそと歩いた。

ちいさな野川の土橋を渡って、雑木の黄葉した台地の裾について曲って往くと、庁館がまえの大きな建物が見えてきた。

「やっといい処が見つかったぞ」

道度はその門の方へ往った。門口に女中らしい女が立っていた。あたかも彼が往くのを待っていてくれるように。

道度は女の前へ往った。