Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おうごんをあびるおんな
黄金を浴びる女
野村 胡堂
Lisez 黄金を浴びる女 (おうごんをあびるおんな) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 350 caractères · 22 écrans
そこで、清廉謹直な駿河守ですが、日毎に加わる町人百姓の窮状を見兼ねて、金座銀座の役人の宅に隠密を放ち、その生活状態から、貯蓄の有無を調べさせ、本宅別荘の絵図造作までも写し取らせました。
この間の消息は「甲子夜話」などにも載って居りますが、良吏駿河守にしては、全く一代の密偵政策だったでしょう。
「何を隠そう。俺は矢部駿河守様から、金座の後藤に附けた隠密の一人――」
「えッ」
これは、お駒も驚きました。馬鹿な話ばかりして居る潮吹の権次が、勘定奉行の密偵とは、さすが人を見る商売のお駒にも思い及ばなかったのです。
その上、命を的に金座へ入り込んで居る権次が、軽々しく身分を打明けたのが、此頃の隠密制度が、どんなに厳重なものであったかを知って居るお駒には不思議でたまらなかったのでした。
「こんな事をベラベラ喋ったら、お駒さんは吃驚するだろうが、皆んな駿河守様の御指図さ、俺一人の智慧じゃねえ」
「…………」
「聴いてくれ、お駒さん、外の役人の暮し向は、二月三月の探索で、手に取るように判って了ったが、肝甚の本尊、後藤三右衛門の暮し向ばかりは、何うしても判らねえ、吹屋町の奥蔵三戸前には、大判小判が捻って居ると言うことだが、誰も入って見た者が無いんだから、世間の噂ばかりじゃ、駿河守様も冥加金の謎の掛けようがねえ」