Classiques japonais avec furigana
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こうちょうのなげき
黄鳥の嘆き
甲賀 三郎
Lisez 黄鳥の嘆き (こうちょうのなげき) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 40 792 caractères · 82 écrans
少くとも、重明はそんな疑いを持って、悶えていたのではなかろうか。
然し、重明は真逆父を疑ってはいなかったであろう。重行の子と信じていたに違いない。又、乳母のお清を真実の母だなんて、夢にも考えていなかったろう。むろん、彼は十か十一の時まで彼の側にいた乳母を忘れはしなかったろう。時々は思出したに違いない。そうして過去の甘酸ぱい思出に耽った事であろう。然し、恐らく一回だって、真実の母として考えた事はないだろう。
野村は暫く先の方を読むのを忘れて、感慨に耽った。それはよく世間にある例だった。二川家の場合は、それが華族という約束に縛られて、表向き養子にすることが出来ず止むなくやった事であるが、世間では表向き養子に出来るにも係らず、子供が成長してから可哀想だという意味で、貰い子を自分達の真の子のように入籍して終うのだ。然し、それが果して真の子供を愛する所以であるかどうかは疑問だ。子供が教えられたり、悟ったりして、真実を知った場合は、今まで隠していたゞけ、反って悪い影響が残るし、そうはっきりしない場合、子供が疑念を持ち、それに悩まされ続けるような事があったら、それは子供を終生苦しめるものではないか。