Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lisez 黒百合 (くろゆり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 78 148 caractères · 154 écrans
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お兼は黙って遣過ごして、再び欄干の爪の跡を教えた。
「これはね、皆仲間の者が、道中の暗号だよ。中にゃあ今真盛な商売人のもあるが、ほらここにこの四角な印をつけてあるのが、私が行ってこれから逢おうという人だ、旧海軍に居た将官だね。それからこうあっちに、畝々した線が引張ってあるだろう、これはね、ここから飛騨の高山の方へ行ったんだよ。今は止めていても兇状持で随分人相書の廻ってるのがあるから、迂濶な事が出来ないからさ。御覧よ、今本願寺参が一人通ったろう。たしかあれは十四五人ばかり一群なんだがね、その中でも二三人、体の暗い奴等が紛れ込んで富山から放れる筈だよ。倶利伽羅辺で一所になろう、どれ私もここへ、」
と言懸けて、お兼は、銀煙管を抜くと、逆に取って、欄干の木の目を割って、吸口の輪を横に並べて、三つ圧した。そのまま筒に入れて帯に差し、呆れて見惚れている滝太郎を見て、莞爾として、
「どうだい、こりゃ吃驚だろう。方々の、祠の扉だの、地蔵堂の羽目だの、路傍の傍示杭だの、気をつけて御覧な、皆この印がつけてあるから。人の知らない、楽書の中にこの位なことが籠ってるから、不思議だわね。