Classiques japonais avec furigana
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くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Lisez 黒百合 (くろゆり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 78 148 caractères · 154 écrans
」
「え、雀部さんの多磨太なんで、から仕様が無えんです。何だそうで、全体心懸が悪うがすよ。ありゃね、しょッちゅう、あの花売を追懸廻していたんで、今朝も、お前、後を跟けて石滝へ入ったんだと。え何、力になろうの、助けてやろうという贅沢なんじゃあねえんでさ。お道どん、お前の前だけれどもう思い切ってるんだからね、人の入らねえ処だし、お前、対手はかよわいや。そこでもってからに、」といいかけて、ちょっと姫様を見上げたので声を密めた。
「だね、それ、狼って奴だ。お前、滝の処はやっぱり真暗だっさ。野郎とうとう、めんないちどりで、ふん捕えて、口説こうと、ええ、そうさ、長い奴を一本引提げて入ったって。大刀を突着けの、物凄くなった背後から、襟首を取ってぐいと手繰つけたものがあったっさ。天狗だと思って切ってかかったが、お前、暗試合で盲目なぐりだ。その内、痛えという声がする、かすったようだけれども、手応があったから、占めたと、豪くなる途端にお前。」
義作は左の耳から頬へかけて掌ですぺりと撫でて、仕方を見せ、苦笑をして、
「片耳ざくり、行って御覧じろ、鹿が角を折ったように片一方まるで形なしだ。