Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
そうかと思うと部屋の一所で、三十がらみの元気のよい男が、笑い上戸の練習をしていた。
「アッハッハッ、こりゃおかしい。執権高時ともあろうお方が、田楽が好きで田楽を舞い、アッハッハッ、ヘッヘッヘッ、それを天狗にからかわれ、天狗などとは夢にも知らず、新座本座の田楽法師が、伺候したものと思い込み、舞って舞い仆れたそうな。エッヘッヘッ、イッヒッヒッ、クッ、クックッ、こりゃたまらぬ」
この広大な部屋のかなた、三間ほど距てた奥の部屋に、燐火を想わせる蒼い燈火が、細々と一筋ともっていたが、それの周囲を廻りながら、胸へ血のように赤い色をつけ、髪を解いて肩へ振りかけ、白衣の裾を床の上に敷いた、幽霊姿の痩せた女が、
「怨めしや判官殿、わらわに恋のわずらいさせ、想いをつのらせ死なせしを、そなたには何んの苦にもせで、ほかに増す花の女をつくり、わらわの供養も仏事も空に、日夜にお通い遊ばすとは。怨みあるものかないものか、思い知らせでおくべきや、祟るぞえ祟るぞえ! 怨めしや判官殿!」
と、幽霊の稽古をやっていた。
広大なこの部屋のずっと外れは、縁越しの広庭となっていたが、そこには二人の壮漢がいて、二頭の猛犬の手綱を握り、向かい合って意気込んでいた。