Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
とは、いかなる御方で在しますぞや、それを求めそれを探した。
と、諸国の武士の口から、このような噂を聞くようになった。
「今上第一の御皇子にましまし、梨本御門跡とならせたまい、つづいて比叡山延暦寺の、天台座主に座らせられたまいし、尊雲法親王様におかせられては、二度目の座主をお罷めあそばされ、叡山の大塔にご起居ましまし、もっぱら武事を御練磨あそばされ、叡山大衆三千の心を、収攬せられおられますそうな」
「宮方ふたたび武家討伐、朝権恢復の御企てを、密々に行ないおらるるそうじゃが、その総帥こそ大塔宮様そうな」
「主上のご寵愛ご信任厚く、万事ご相談のお相手そうな」
それはこういうお噂なのであった。
(ああ梨本御門跡様!)
頼春は忽然数年前に、日野資朝卿の別館の夜の後苑でその御方の、御姿と御声とに接しまつった事を、まざまざと脳裡に映し出した。
「あの御方じゃ! あの御方じゃ!」
と、声を出して頼春は叫んだ。
「裏切り者のこの俺に、許すとのお言葉くださる御方は!」
彼は京の地へ引っ返して来た。
そうしてその御方にお縋りしようため、比叡山へ分け登った。
といつか道に迷い、この裏山に踏み入ってしまった。