Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
あやしながら、彼女は行くのであった。
彼女にとってこの嬰児は、もう何物にも換えがたい、大事なものになっていた。
(この子を立派に育てあげて、わたしの跡目を継がせなければならない。土岐の跡目を、土岐の跡目を!)
こんなことをさえ思っているのであった。
そうして彼女は、この嬰児の母の、憎い敵の殺人鬼へ、蝮を噛みつかせてやったことに、喜びを感じているのであった。
(蝮の毒が全身に廻って、あの殺人鬼は死んだに相違ない。この子に代わって母親の敵を、わたしは取ってやったのだよ)
彼女は足を急がせた。
と、不意に木蔭から、三人の野武士があらわれた。
「いい女らしいぞ」
「まだ若いな」
「業病じゃアないか、顔に垂れがある」
「手足を見ろ、綺麗で満足だ」
「お顔拝見」
「担いで行け!」
早瀬の周囲をとりまいた。
しかし早瀬は驚きもせず、垂れ布の内側で苦く笑った。
(わたしの懐中に蝮がいるってこと、この人達は知らないそうな)
しかし、その時淫らの様子の、若い女が二人あらわれ、野武士たちの間へ雑ったので、かえって早瀬は度胆を抜かれた。
桂子は先を歩いていた。
と、一座の丘があり、その裾を向こうへ廻った時、芒の中に野武士の死骸が、一つころがっているのが見えた。