Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
「勿体なきお言葉に存じまする」
ここでしばらく話が絶えた。
木蔭にひそかに身をかくして、聞き澄ましていた頼春は、この時、
「はあ――」と声を洩らし、静かに大地に膝をつき、両手を延べて平伏した。
誰あろう高貴の御方こそ、今上第一の皇子にましまし、文保二年二月二十六日、仏門に帰せられ比叡山に上らせられ、梨本門跡とならせられた、尊雲法親王に御在されたからであった。(後の大塔宮護良親王)
(かかる尊貴の御方が、このような所へ御座あるとは?)
頼春は全身に汗を覚えた。
と、御門跡の御声が響いた。
「今上の御宸襟推察し奉れば、我れ仏門に帰せし身ながら、法の衣かなぐり捨てたく思うぞ」
「…………」
御門跡の御声はなおも響いた。
「院政より今上のご親政となられ、いかに日本安らかになったか。大津、葛葉の二関の他は、関所ことごとく開放し、商売往来の弊をはぶき、また元亨元年の夏、大旱あって地を枯らし、甸服の外百里の間、赤土のみあって青苗なく、餓巷に横仆わり、飢人地上に倒れし時、主上御宸襟を悩ませられ、朕不徳あらば朕一人を罪せよ、黎民何んの咎あるべき、しかるに天この災いを下すと、ことごとく嘆き思し召し、朝餉の供御を止めさせらる。