Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
が、今はそうでなかった。
三月に渡ってともかくも、一刻として離れたことがなかった、それが敵陣に捕えられ、離れ離れに監禁された、どうしているか? どうかされはしなかったか? 不安と危惧とで一杯であった。その浮藻と逢ったのである。
その浮藻といえば面影やつれ、目には涙、唇には戦慄、小鳥のようにおどおどしている。
「可憐しや! 浮藻殿オーッ」
引き寄せ抱き締め頬に頬をつけた。
かつてない烈しい愛情が、小次郎の胸へ湧いたからである。
館の廻廊を別殿の方へ、大仏陸奥守は歩いていた。
寝衣に着代えた入道の姿は、蟇が人間の形をして、歩いているとしか思われなかった。
手燭を持って先に立って、案内をして行く侍女の後から、酒と慾望とで身も心も、燃えるがようにほてらせて、その入道は行くのであった。
(怒る、罵る、泣く、拝む! ……が、俺は承知しない。……)
広大な庭のあちこちに、篝火が楔形に焚かれている、甲胄姿の軍卒が、槍や長柄を輝かせながら、警護している姿が見えた。
(戦陣にての楽しみといえば一に高名、二に掠奪、三に敵方の女を捕えることさ)
別殿の建物が廻廊の外れに、植え込みにかこまれて見えて来た。