Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
その武士の方へ押し寄せて行った。
しかしその武士はもうその時には、どこへか姿をかくしてしまった。
まだ群集は散ろうとはしないで、立て札の前に集まって、思うままのことを喋舌っていた。
そのうちに一種の群集心理で、立て札を抜いて倒そうと、大勢が立て札へ手をかけて、エイエイ声して引き抜きはじめた。
と、向こうから地頭の召使いらしい、横柄な様子をした侍が、息せききって走って来たが、二、三人を打擲して罵った。
「熊野別当様のたてられたお札を、おのれら抜くとは何事じゃ! 謀反人じゃぞ謀反人じゃぞ!」
しかしそう叫んだ次の瞬間に、その侍はのけざまに仆れ、しばらく手足をバタバタさせたが、やがて延びて動かなくなった。咽喉から血を吹き出している。
群集たちは仰天し、その周囲へ集まったり、その周囲から逃げたりした。
そういう混乱の人の渦から遁がれ、顔の前へ白布を垂らし、嬰児を抱いた姑獲鳥のような、女乞食に手を引かれ、少し血のついた竹の杖をついた、盲目の乞食がトボトボした足どりで、野の方へ歩いて行くのが見られた。
その時まで男女のその乞食は、群集にまじっていたものらしい。