Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
を変えられ中津川の方へ、ひとまず御落ちあそばしませ! ……意外のお味方その方面より、あらわれますやも計られませぬ! ……宮様討たんと玉置の兵ども、この道へ寄せて参りましたならば、かなわぬまでも我々一同にて、欺き防ぎ遮って、一人もお後追わせますまい! ……中津川の方へ早々お落ちを!」
と、必死の声で呼ばわった。
千辛万苦を共にして来た、愛臣片岡八郎を討たれ、悲哀と憤怒とを一時に発せられ、
「憎きは玉置、今は許されぬ、片岡八郎の葬合戦、逆撃てや!」
とお下知あそばされ、馳け向かわれた宮家ではあったが、この声を聞かれると御足を止められた。
一同も足を止め振り返った。
「何者?」
「奇怪!」
「女の声だったぞ!」
口々に怪しんだ。
そういう人々に見えるものと云えば、林、藪、丘、雑草、――それに当っている陽の光、そこを飛んでいる小鳥ばかりであった。
男の姿も見えなければ、女の姿も見えなかった。
「玉置の荘司の詭計らしいぞ!」
と、平賀三郎が不安そうに云った。
「ああ云ってわれわれをあらぬ方へ向かわせ、そこで討ち取る所存らしいぞ!」
「狩り出だせ!」
「討って取れ!」
バラバラと数人が走り出した。