Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
小次郎に添いたいと祈願しながら、姉の心を推量って、今に望みをとげない浮藻。桂子には恩と義理とを感じ、浮藻には可憐さを覚えながら、どっちへも行けずに縮んでいる小次郎。――この三人の生活は、この館へ帰って来て、共棲みをするようになって以来、生き地獄の度を烈しくして来た。
そうして現在のありさまとなった。
すなわち桂子が苦痛に堪えられず、二人から離れて別棟の高殿に、一人で住むようになったのである。
浮藻にとっても小次郎にとっても、高殿に桂子の住んでいることは、これまで一緒に姿を見せて、自分たちと同じ棟に住んでいた時よりも、一層に苦痛でもあれば恐ろしくもあった。
夜昼となくその高殿から、嫉妬と猜疑と呪咀とをもって、妖精のように桂子が、自分たちを看視していることだろう。
で、二人にはその高殿が、悪霊の住んでいる魔殿かのように、凄く肌寒く思われるのであった。
小次郎はよく思った。
(自分だけこの館から出て行くのが、一番よいのではあるまいか)と。
しかしすぐに彼は不安を覚えた。
(すると浮藻は死ぬだろう)と。
そう、小次郎が出て行ったならば、恋するの余り慕うの余り、水に入るか木にくびれるか、懐剣で乳の下を刺すかして、浮藻の死ぬことは眼に見えていた。