Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
「うどんくい」
「うどんくい」
宮本 百合子
Leggi 「うどんくい」 di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2478 caratteri · 5 schermate
女の買い物の心理で、受持の先生は手紙をわたして戻って来た先生に何心なく、
「うどんあるのかしら」
と云った。
「ないんだって」
そう云って出て行った。
さて、それなりそのことは忘れて、次の日例の如く三人つれ立っての帰途、五年の受持の先生は染物の用事で一年の先生のうちへよらなければならなくなった。
「じきなんでしょう? じゃ私も行くわ」
唱歌の先生も仲間になって三人で戻って来た一年の先生の家の茶の間には、乾うどんが山とあって、女中さんはうれしそうに、顔を見るなり、
「信濃屋から、うどんを持って来ました」
と報告した。信濃屋というのは、今五年にいてあの手紙をわたされた生徒の家である。
そこに積まれていたのが、外ならぬうどんだというのは、三人にとって何たる不仕合わせであったろう。一年の先生が日頃の親友に向って、無いんですって、と云ったそのうどんであったというのは互にとって何たるばつのわるいことであったろう。きっと、無いんですって、とさえ云ったのでなかったら、先生が生徒の親の店へ物の融通を云いつけるのはその社会で例のないことではないのだろうから、何も愧しい思いはないのだろうが、無いと云ったそのものが在る、しかもどっさり在るということは如何にも具合がわるかった。